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フィグの歴史

  • フィグはアラビア半島南部の肥沃な土地が原産とされ、古代シュメール人やアッシリア人が食していたという記録が残っています。
  • 古代のアラビア半島を原産地とするフィグは、やがて小アジアのティグリス・ユーフラテス川にはさまれた古代文明の中心地メソポタミア地方で人の手による栽培が始められました。
  • フィグの栽培はその後小アジアやシリアからメソポタミア、ペルシア、アラビア半島の砂漠地帯へと広まり、イラン、アルメニア、アフガニスタンでとくに盛んになりました。
  • インドでは14世紀にフィグの栽培がはじまりました。パンジャブ地方の丘陵地では、いまも食用のインド固有種が栽培されています。
  • 中国でも14世紀の文献に「無花果」の記述が出てくることから、このころには既に極東地域においてもフィグは定着をしていたようです。
  • アメリカ大陸発見以前の旧世界=古代・中世ヨーロッパとその交易相手諸国にフィグを広めたのはフェニキア人とギリシア人でした。フィグ14世紀にはアフリカ北部の地中海沿岸、スペイン、ポルトガル、さらにはイギリス海峡に定着し、その後ギリシアとイタリア半島にも広まりました。
  • 新世界、アメリカ大陸にフィグをもたらしたのはスペインとポルトガルの宣教師たちです。1520年に西インド諸島、1528年にペルーにフィグが水揚げされた記録が残っています。
  • アメリカ合衆国には、西インド諸島、ギリシア、フランスを経由し南東部から入ってきました。しかし最初は栽培作物ではなく、玄関先に植える果樹として親しまれていました。
  • スペイン人宣教師によって西インド諸島からメキシコに持ちこまれたフィグは、さらにカリフォルニアにも伝わりました。1769年、サンディエゴにあるフランシスコ会修道院の庭にフィグが植樹されました。さらに太平洋岸を北上して1792年にはサンタクララ、1793年にはヴェントゥーラに広がり、のちにソノマにまで到達しました。カリフォルニアで最初に栽培された黒イチジクは、修道院に植えられたことにちなんで「布教」を意味するミッション種と名づけられました。
  • ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアには、人間だけでなくさまざまな種類のフィグも入ってくることになりました。1867年には、サクラメント・ヴァレー(渓谷)でのフィグの作付面積は1000エーカー、サンウォーキン・バレーでは35エーカーになっていました。最も人気のあったホワイトアドリアティック種は、1885年にフレズノの27エーカーの果樹園で栽培がはじまりました。そして乾燥フィグが鉄道ではじめて東部に出荷されたのは1889年です。
  • ホワイトアドリアティック種は20世紀まで高い人気を誇っていましたが、乾燥させたときの品質が輸入品より劣っていたため、生産者たちは代わりにスミルナ系のLob Injir種を試験的に導入しました。Lob Injirは生育が良く、たくさん実をつけたものの、果実は完熟する前に初夏にはすべて落果してしまいました。
  • スミルナ系のフィグが結実するためには、カプリフィケーション(caprification)と呼ばれる特殊な受粉プロセスが必要であることを1890年にC・ロディングが突きとめました。W・T・スウィングルは小アジア、スミルナ、メキシコ、ギリシア、アルジェリアからカプリ系イチジクを取りよせて、ブラストファーガというハチを使った受粉に成功します。そして9年後の1899年6月23日、カリフォルニアでフィグの商業栽培がはじまりました。
  • 現在広く栽培されているゴールデンブラウンのフィグは、1882年にトルコから導入されたスミルナ系の種類です。カリフォルニア州サンウォーキンで最初に栽培されたため、新旧の産地名にちなんでカリミルナ種と呼ばれるようになりました。
  • 1910年、J・C・フォークナーがフレズノに6000エーカーの土地を購入してフィグの木を植えました。固い岩盤のある沼地でしたが、この場所の風土が大いに気に入ったフォークナーはダイナマイトで岩盤を破壊し、フィグの木が土壌深くにまで根を張れるようにしたのです。
  • アメリカンドリームを信じていたフォークナーは、多くの人々がフィグ畑のオーナーになれるようにと土地を分割して売りに出しました。分割された土地の面積は1エーカーから1000エーカーまでさまざまで、平均すると16エーカーでした。
  • その頃までにフレズノではフィグ栽培が盛んになり、現在のフレズノ市内は当時ほとんどフィグ畑でした。
  • 1931年には、カリフォルニア州のフィグ作付面積は5万7278エーカーとなり、サンウォーキンバレー中央部に集中していました。

フィグにまつわる逸話

紀元前

  • 南西アジア、エジプト、ギリシア、イタリア半島の国々では、フィグの木は神聖なものとして崇められていました。
  • 聖書にいちばん多く登場する果物がフィグです。紀元前2000年頃のバビロニアの聖歌集でもフィグが出てきます。
  • 人間が最初にまとった衣服はフィグの葉でした。旧約聖書のジェネシス(創世記)にはこう書かれています。「……二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰をおおった。」禁じられた果実はよく絵画等で林檎が描かれていますが、実はフィグだったという説もあります。

古代ギリシア

  • フィグは運動選手の栄養補給食でした。古代オリンピックの入賞者には栄誉のしるしとして月桂冠とともに勝利のメダルとしてフィグが授与されました。
  • 清めの儀式では、男は黒イチジク、女は白イチジクの実をつなげて首にかけていました。
  • 言い伝えによると、ギリシア神話の大地の女神デーメテールが最初に人間に教えた秋の実りがフィグでした。
  • アッティカはイチジクの名産地で、貧富に関係なくアッティカ市民には欠かせない果物でした。アッティカを支配したソロン(紀元前639~559年)は、市民へのフィグの供給を確保するために、ギリシアから外に持ちだすことを禁じました。
  • フィグは人々の食文化にとって貴重な果物であったため、品質の良いイチジクの輸出を禁じる法律までつくられました。今日「ごますり、おべっか使い」を指すsycophantという英単語はもとはイチジク密輸や、神木から実を盗むイチジク泥棒を通報する者を意味するギリシア語から由来しました。
  • アテナイに住む者はフィロシコスと呼ばれ、これは「フィグの友」という意味でした。哲学者プラトンもフィロシコスでした。ポントス王ミトリダテスはフィグこそ万病に効く薬と信じており、侍医たちにフィグを薬として処方させたり、市民たちにフィグを毎日食べるよう奨励しました。

古代ローマ

  • 古代ローマでもフィグは神聖な木として大切にされていました。ローマ建設者である双子のロムルスとレムスは、漂流してイチジクの木の下で休息をとったと謂われています。
  • ローマ神話では、フィグを人間に教えたのはワインの神、バッカスでした。そのためフィグは神聖な木とされ、カラヴァッジョはバッカス神をイチジクの葉冠をいただいた姿で描いています。古代ローマでは、毎年収穫された最初のフィグはバッカスの神殿に奉納され、バッカスを称える祭りでは、敬虔な女性たちが干しイチジクの冠をかぶります。
  • ローマの作家プリニウス(52~113年)はこう書いています。「フィグは疲労回復に効果的である。若者の体力を増進させ、老人の健康を維持し、しわを減らして若々しく見せる」

中東、アジア

  • ペルシャの王クセルクセスは、紀元前480年のサラミスにギリシア人によって彼の敗北は、アッティカからいちじくをした後、彼はこの果物が育った土地を保有していないことを彼に思い出させるために毎日の食事で彼を務めた。
  • かつては、Mohammedさん預言者が叫んだと言われています:"私は果物、それは確かにイチジクのだろう天国に連れしたいかどうかです。"
  • 図も同様にオデッセイとして、ホメロスの『イリアス』に記載されている。アリストファネス、ヘロドトスとカトー、そしてイチジクは彼女の人生は、イチジクのバスケットに彼女に持ち込まれて終了したASPで、クレオパトラの好きなフルーツをされていると報告されている。

ヨーロッパその他

  • 812年、西ローマ帝国皇帝となったシャルルマーニュはオランダにフィグを導入しようとしましたが、寒冷な気候が災いして成功しませんでした。
  • イギリス海軍のブライ艦長は、1792年、オーストラリアのタスマニア島に最初にフィグを植えた人物とされています。

カリフォルニア

  • カリフォルニアにおけるフィグの歴史は、世界史のなかでそれほど古くありません。でもカリフォルニアでフィグは人々の手を介して大量的に乾燥され保管されるようになりました。
  • カリフォルニア産ドライフィグの過去5年間の生産量は、年平均2800万ポンド(約12,700 メートルトン)です。アメリカ合衆国で生産されるドライフィグの原料は、100%カリフォルニア州セントラルバレーで栽培されたものです。

その他の豆知識

  • フィグの木は豊かさ、肥沃、優美さの象徴です。
  • フィグを使った最初の商品は、1892年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州で発売が開始されたフィグ・ニュートンズというクッキーです (http://www.nabiscoworld.com/newtons/)。
  • 長い間、フィグはコーヒーの代用品としても使われてきました。イチジクにはタンパク質分解酵素が含まれており、消化を助けると言われています。製薬業界もフィグを取り入れています。
  • フィグはアルカリ性食品で、禁煙の助けになるとも言われています。
  • フィグには天然の保湿成分が含まれており、焼き菓子に使うとしっとりした新鮮さが長持ちします。
  • フィグにはソラレンという成分が含まれていて、古代から皮膚病治療にも活用されてきました。フィグのほか、一部の植物や真菌が持つソラレンは、紫外線に対する皮膚の感受性を高める効果があります。
  • フィグは食物繊維が豊富な果物です。食物繊維には水溶性と不溶性があり、健康にはどちらも大切ですが、フィグには両方含まれています。
  • 現代人の忙しいライフスタイルを支えてくれる栄養素が、フィグにはたくさん含まれています。ドライフィグ4分の1カップ(アメリカ基準で約60ml)で食物繊維が5グラム摂取できます。これは1日当たりの必要摂取量の20%に相当します。さらに鉄6%、カルシウム6%、カリウムもそれ7%採ることができます。脂肪、ナトリウム、コレステロールはゼロ。最近の研究では、カリフォルニア産フィグには抗酸化物質のポリフェノールも豊富に入っていることがわかりました。
  • 一般にフィグの実だと思われている部分は、実は茎に包まれた花です。そして種だと思われている部分が実です。
  • ・ カリフォルニアのフィグは完熟した状態で甘みを最大限に引き出すため枝についたまま乾燥にかけられ ます。
  • 収穫したフィグはサイズ選別され包装されます。包装形態は円形にぴったり並べてラッピングしたもの、密閉ビニール袋、フィンガーパック、プラスチックカップ、個別包装など様々です。スーパーマーケットではパン・菓子材料コーナーで販売されていることが多いようです。
  • フィグの収穫期は晩夏から初秋にかけてですが、乾燥パックのものは通年で流通をしているので1年中入手可能です。お菓子やパンの材料として使うのが一般的ですが、スッカー、ハヌカー、過越(すぎこし)といったユダヤ教の伝統的な祭事の食材にも使われます。
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